仏誌TEMPURA vol.19表紙

フランス 季刊誌「TEMPURA Vol.19」インタビュー掲載

リボンやフリル、パニエで大きく膨らんだスカート…「少女趣味」と呼ばれるものをすべて詰め込んだファッションジャンル、ロリータファッションは、遡ること2000年代前半に東京を中心に広まった。とりわけ2004年公開の映画『下妻物語』では、人気女優・深田恭子が東京から離れた農村地区で暮らしながらロリータファッションウィークをこよなく愛する女子高生を演じ、ジャンルの知名度が急上昇した。作中、主人公が好きなブランドの新作を買うためにVERSACEのコピー商品を販売するというシーンがある。生産工程も複雑で、生地も多く使うロリータ服は往々にして高額であり、この描写は当時のロリータファッションの購買層が10代後半から20代前半と若年であったことを踏まえると極めてリアリスティックであると言える。 あれから20年の時を経て、ロリータファッションの世界は様々な進化と変貌を遂げた。当時の消費者が30〜40代に差し掛かったことにより購買層が拡大され、SNSの出現によりコミュニティの国際化・多様化が進んだ。 この記事では、現在のロリータファッションの第一線で活躍する人々に取材しながら、他者からの「こうであるべき」という目線に抗う彼らの反骨精神に焦点を当てる。とりわけ年齢や性別に対する凝り固まった概念がある日本社会で、彼らがどのように自分の好きなものを貫いているのか、またロリータファッションが彼らの人生やアイデンティティにどう関わっているのかを探る記事とする。

TEMPURA (https://tempuramag.com/) (季刊・発行部数5万部)